Neil Young - Heart of Gold 和訳
記事を書くのは久々です。先日ライブをやりました。とても良い感触が残っているので、忘れないうちに何らかを残したいと思って書いています。
出番を終えた直後の自分の演奏の手応えはせいぜい、「悪くなかったな」程度だった気がするのだけれど、その後のお客さんや他の演者さんとのコミュニケーションを経た結果、「とてもいいライブをやれたな」という気分になってしまったから、不思議。
具体的なエピソードの一つ。30分で7曲という過密なセットリストを無事に終え、一息つきにバーカウンターに寄った僕は、端で既に飲んでいたご年配の男性に声を掛けられた。「君達いいねぇ、久々にいいバンドを聴けたよ」お世辞でも嬉しい。この方はどちらのバンドを目当でいらしたのだろうか。「いいや、俺も出る方さ。トリのバンドだよ。」これは失礼。彼の正体は70年代フォークをやるバンドのボーカルだった。なんと御歳63になるそうだが、ステージに乗った彼は恐ろしいほどに伸びやかでクリアな歌声を響かせ、その日のイベントを締めてくれた。
終演後、帰り際に皆に気さくに挨拶をして回る彼に、僕はすかさずSNSアカウントを尋ねた。「そんな現代的なものはやっていないよ。」彼が63歳だということを完全に失念していた。あなたの今後のライブスケジュールを知りたいと言った。「決まってないんだ、でも長くやっていればまた対バンできるさ。」
彼のバンドのセットリストに、ニールヤングのカバーが一曲混ぜてあった。
とても印象に残ったので、それを和訳しようと思った。
<和訳>
Heart of Gold
I wanna live
I wanna give
I've been a miner for a heart of gold
It's these expressions I never give
That keep me searching for a heart of gold
And I'm getting old
Keep me searching for a heart of gold
And I'm getting old
生きたい
与えたい
俺はずっとHeart of Goldの採掘者なんだ
俺には表せない「それ」をどうにかしたくて
Heart of Goldを探し続け
そうして歳をとっている
Heart of Goldを探し続け
そうして歳をとっている
I've been to Hollywood
I've been to Redwood
I crossed the ocean for a heart of gold
I've been in my mind
It's such a fine line
That keeps me searching for a heart of gold
And I'm getting old
Keeps me searching for a heart of gold
And I'm getting old
ハリウッドに行った
レッドウッドに行った
Heart of Goldを求め海をも渡ったが
俺はずっと自分の心の中に居たんだ
紙一重の差をどうにかしたくて
Heart of Goldを探し続け
そうして歳をとっている
Heart of Goldを探し続け
そうして歳をとっている
Keep me searching for a heart of gold
You keep me searching and I'm growing old
Keep me searching for a heart of gold
I've been a miner for a heart of gold
君とのことをどうにかしたくて
俺はHeart of Goldを探し続け
そうして人生を重ねている
一人のHeart of Goldの採掘者なんだ
<感想>
Heart of Goldは、一般に「愛」とよばれている感情(?)のことを指すのだと思う。
自分の「愛」をうまく表現できない
自分の「愛」に懐疑的になってしまう
そうやってどれほど苦しんでも、「愛」を探し求めることをやめない
そうやって年を重ねていくことに自分の人生の意義を認めている人間のための
不器用さ、寂しさ、少しの絶望と、優しさ、暖かさ、がしっとりと表現されている、とってもいい曲だった。
おしまい