Finch - Back To Oblivion 和訳
Back To Oblivion ~忘却への回帰~
目次
バンド・アルバム紹介
僕が大好きなジャンルであるところのスクリーモ、その先駆者バンドのひとつが今回紹介する Finch です。小手先の技としてのscreamではなく、感情表現の延長にあるscreamをやってくれるボーカリストが僕は大好きで、このバンドのボーカル Nate も確実にその一人です。曲の展開やサウンドの雰囲気なんかはかなりOne Ok Rockに近いと思うので、どうしてもっと日本で人気になってないのかな〜と疑問に思ったりしています。まぁ彼らはたびたび解散するからプロモーションしようにもできないのかな。今回紹介する曲が収録されているのは同名の最新(3作目)アルバム「Back To Oblivion」で、2作目「Say Hello To Sunshine」との合間に二度の解散と再結成を挟んだせいでなんと9年ぶりのアルバムとなりました。
しかも去年三度目の解散をしたようです。。。仲良くして。。。
歌詞&和訳
[verse1]
Give me a reason
Tell me what you know
Burning in the limelight
Dim the afterglow
僕に理由を与えてくれ
君たちが知っていることを教えてくれ
スポットライトに焦がされちまう
眩しすぎる残光を沈めてくれ
Is it all in vain?
It never had a face
Ever getting better
The future's taking shape
全部無駄なのか?
いままで形に成らなくて
ずっと改善し続けてきた
未来が見えてきつつあるってのに
Tracers that move, clouding my view
Strap her in boy, we're sending you...
彷徨う曳光弾が、僕の視界を覆ってしまう
彼女を守れよ少年、君たちを送り返すぜ
[chorus1]
Back to oblivion
Back to oblivion
Back to oblivion
Send my message home
忘却の彼方へ
君たちを送り返す
忘却の彼方へ
僕のメッセージを届けてくれ
[verse2]
I feel it in my bones
I hear it in the air
Shattering the brainwaves
Holding me here
僕の骨の内に在るのがわかる
空中に漂っているのが聞こえる
僕の脳波を掻き乱して
僕をここに縛り付けている
Seven years of madness
Four more for sting
Seperate the universe as I'm heading
七年間の狂気と
さらに四年間の苦痛
僕は進みながら、宇宙をばらばらにしていく
[chorus2]
Back to oblivion
Back to oblivion
Back to oblivion
Send my message home
忘却の彼方へ
僕もまた向かっている
忘却の彼方へ
僕のメッセージを届けてくれ
[bridge]
I think we're caving in
僕たちはいまにも潰れそうなんだ
[chorus3]
Back to oblivion
Back to oblivion
Back to oblivion
Send my message home
忘却への回帰
忘却への回帰
忘却への回帰
僕のメッセージを届けてくれ
I think we're caving in
僕たちはいまにも潰れそうなんだ
解釈&考察
[verse1]
「僕はどうしたらいい?何を理由に、どう行動したらいいのか、教えてくれ」
と、"you"に対して訴えかけている。"Burning in the limelight"と"Dim the afterglow"は眩い夕陽に照らされているような情景と同時に、比喩的にそれぞれ「そんな過剰な期待をしないでくれ」「過去の栄光にすがりたくないんだ」という思いを表現しているように思う。
「ずっと真剣に打ち込んできた、改善を重ねてきたことでも、君たちに見せられるような体裁を整えることができていなければ、その努力は全部無駄だって言うのかい?」
「目指すべき目標がいくつも提示され、どれも混乱していて、視界が覆われているようだ」
[chorus1]
"you"は、かつては僕を応援してくれた人々だったのかもしれない。しかし今や僕のことを身勝手に評価し誘導しようとするこの連中の存在のせいで、僕はかえって自信を無くし、目標を見失い、身動きが取れなくなった。この状況を打開するために、連中には僕のことを忘却してもらいたいと思った。
「忘却の彼方へ送り返すぜ」
「僕のメッセージだけ持ち帰ってくれ」
[verse2]
骨の髄まで染み込んだ狂気、空気のようにまとわりつく苦痛、それらとともに何年間も生き続けることは、宇宙を引き裂くような途方も無い作業だ。そしてその生き方の向かう先というのは、忘却への回帰に他ならなかった。
[chorus2]
「僕もまた、忘却の彼方へ向かっている」
「僕のメッセージだけは残しておいてくれ」
[bridge]
「僕たちはいまにも潰れそうなんだ」
[chorus3]
「忘却の彼方へと回帰していく僕が、ただ一つ残す伝言」
『僕たちはいまにも潰れそうなんだ』
以上
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<感想>
chorusの文章が同じでも、verseによって1番と2番でガラッと内容が変わっていますね。そして2番の内容はとくに壮大で抽象的。僕自身はこの歌詞から身勝手に多くのイメージを感じ取ってしまったので、見当違いな解釈になっているかもしれません。ただ間違いないのは「いまにも潰れそうな限界を迎えてなお、何もかも忘却することでまた"生き"ようと覚悟している」ということで、逆説的に途方も無い強さを感じます。僕も忘却したいことは掃いて捨てるほどあります。