洋楽を通して自分を知る営み

洋楽の歌詞を和訳してから、気が済むまで解釈して、自分の考え方を書き残してみたい、だけです。

Twenty One Pilots - Guns For Hands 和訳

最初に和訳するのは Twenty One Pilots の Guns For Hands に決めた。

Twnty One Pilots はアメリカのオハイオ州出身の二人組ロックバンド。

ドラムとボーカルの二人体制だが、ボーカルのタイラーは時にベースやウクレレを演奏しながら歌っていて、この曲ではピアノを弾いている。

ボーカルにラップが多用されるのが特徴的。彼らの曲はオルタナティブ・ヒップホップというらしいが、僕はラップの良し悪しはよくわからなくて、むしろ要所要所でのスクリーム的な歌い方のほうに魅力を感じている。

 

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はやいうちに僕の音楽志向を語ったほうがいいかもしれない。けど、次の記事でいいや。とりあえずこのバンドが好きな理由は、「泣きたいほどの切実さ」とか「追い詰められた感じ」とか「悩みの暴露」とか、個人の心の弱さのような部分を堂々と表現してくれて、そこには所謂エモの一つの側面が立派に存在しいると確信できたからだ。

彼らの来日ライブを生で見れたときに思ったのは、前述したスクリームの箇所が、人間の「泣き」「喚き」はこんなふうに音楽の中で輝くんだな・・・っていう感動だった。

 

これくらいにとどめて歌詞の和訳に進もう・・・

 

[verse1]

I know what you think in the morning,

When the sun shines on the ground,

And shows what you have done,

It shows where your mind has gone,

And you swear to your parents,

That it will never happen again,

I know, I know what that means, I know.

君達が今朝なにを考えるか、僕は知ってる。

陽が昇って地面を 照らす頃

君達のしたことが明るみに出る頃

君達は心が逝ってしまったんだと、わかるはずだよ

そして両親にこう誓うだろう

「あんなことは二度と起こさない」

 僕は知ってるよ、それがどういう意味かを。

 

[pre-chorus]

That you all have guns,

And you never put the safety on,

And you all have plans,

To take it, to take it,

Don't take it, take it, take it.

君達はみんな銃を持っていて

セーフティは絶対かけてない

みんな計画があるんだろ

いつでも銃を手に取れるように。

ダメだよ!そいつを手にしたら!!!

 

[chorus]×2

I'm trying, I'm trying to sleep,

I'm trying, I'm trying to sleep,

But I can't, but I can't when you all have,

Guns for hands, yeah

僕は寝ようと頑張ってる

僕は寝ようと頑張ってるけど

眠れない、眠れないんだ。

君達みんなが手に銃を持っているから、ね

 

[verse2]

Let's take this a second at a time,

Let's take this one song, this one time,

Together, let's breath,

Together, to the beat,

But there's hope out the window,

So that's where we'll go,

Let's go outside and all join hands,

But untill then you'll never understand.

この瞬間だけ、さあこの一秒間立ち止まってみよう

この一度だけ、さあこの一曲を聴いてみよう

一緒に、さあ呼吸をあわせて

一緒に、さあこのビートに合わせて

おや?窓の外に希望があるよ?

それならあそこが僕らの行く先だ

外に出てみんなで手を繋ごう

君にとってはその時になってみなきゃ

理解できないことなのかもしれないけれど

 

[pre-chorus]

That you all have guns,

And you never put the safety on,

And you all have plans,

To take it, to take it,

Don't take it, take it, take it.

君達はみんな銃を持っていて

セーフティは絶対かけてない

みんな計画があるんだろ

いつでも銃を手に取れるように。

ダメだよ!そいつを手にしたら!!!

 

[chorus]

I'm trying, I'm trying to sleep,

I'm trying, I'm trying to sleep,

But I can't, but I can't when you all have,

Guns for hands, yeah

僕は寝ようと頑張ってる

僕は寝ようと頑張ってるけど

眠れない、眠れないんだ。

君達みんなが手に銃を持っているから、ね

 

[rap]

We've turned our hands to guns, traded our thumbs for ammunition,

I must forewarn you, of my disorder, or my condition,

Cause when the sun sets, it upsets what's left of my invested interest,

Interested in putting my fingers to my head,

The solution is, I see a whole room of these mutant kids,

Fused at the wrist, I simply tell them they should shoot at this,

Simply suggest my chest and this confused music,

It's obviously best for them to turn their guns to a fist.

僕らは手から銃に切り替えた、親指と弾薬を交換した。

僕は精神がまいっててやばい状態なんだってことを、予め警告しておかなくちゃ。

というのも、陽が沈む頃には、僕の気持ちが残したものが散乱してるだろうから。

自分の指を自分の頭に突きつけたらどうなるんだろうって気持ちのね。

解決策は・・・

僕は、部屋いっぱいの、手首を繋がれた、おかしくなった子供達を見て

ただ「こいつを撃ち抜け」と告げる

ただ「僕の胸と、この混乱した曲を撃ち抜いたらいい」と告げる

解決策は明らかだ。

彼らにとってベストなのは間違いなく、銃から拳に切り替えることなんだ。

 

[chorus]×2

I'm trying, I'm trying to sleep,

I'm trying, I'm trying to sleep,

But I can't, but I can't when you all have,

Guns for hands, yeah

僕は寝ようと頑張ってる

僕は寝ようと頑張ってるけど

眠れない、眠れないんだ。

君達みんなが手に銃を持っているから、ね

 

 

 

 

和訳は以上。こっから先は考察をしようと思う。

銃社会の異常性やそこに生きる苦しみが巧みに歌われている様を分析したい。

 

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[verse1]

子供が銃を使って犯罪を犯したというような事件がイメージされる。MVで目出し帽かぶってたから多分強盗だと思えばいいのだろう。「朝になれば自分の犯した罪の重さを思い知るだろう」、とはいえ、本当の意味でその子供がまともな心を取り戻せるとは期待していなさそうだ。「君達は両親に、二度とこんなことはしないと誓うけど、僕にはそれがどういう意味か知っているんだ」の部分は、誓いが表面上のものにすぎないことを僕は見透かしているよ、というような冷たさを、一瞬感じさせる。銃社会にどっぷり浸かったどうしようもない子供達。しかし主人公はこの子供達を救うにはどうしたらいいかを必死に考えている。

[pre-chorus]

誰もが銃を持っていて、セーフティをかけずに保管している。犯罪を犯すためではなくとも、たとえば不法侵入者が現れた際には、すぐさま銃を手にして容赦なく引き金を引くプランが、みんなの頭の中にある。イカれた子供達でなくても、誰でも銃を握る気満々でいるこの現実に、「おかしいだろ!!やめてくれ!!」って叫びながら、chorusに続く。

[chorus]

みんながいつどこで銃を手にとってもおかしくない、そんな状況で主人公は安心して眠れるわけがない。いくら隣人を信用したくても、彼らの頭の片隅にはやっぱり引き金を引くプランがあるんだ。隣人がみんな、なにかの拍子で自分を殺しうる存在に見えてきて、命を脅かす恐怖から逃れられない夜になる。

[verse2]

一度落ち着いてリラックスして、この曲を聴いてくれ。窓の外には希望があるからあっちへ行こう、と説得している。「外に出て手を繋ごう」というのは、この曲を通して用いられている guns と hands の対比からして、「銃を手放した生活に向かおう」という意味だろう。今はまだ、銃社会に浸かりきった君達には理解できないのかもしれないけれど、銃のない生活は間違いなく素晴らしいから、一緒に目指そうと歌う。

[pre-chorus] , [chorus]

1番と同じ繰り返しだが、直前の understand を that で受けていると考えれば、「君達は銃が身近すぎて意識すらしていないのかもしれないけれど、みんながいつでも撃てるようにしてあるその銃は、おいおい、そんな簡単に扱っていいようなものじゃないだろ!」という意味にとれる。

ここまで銃が浸透した社会そのものに恐怖し、どうしようもなく眠れない。みんなが銃を手放すまで眠れそうにない。

[rap]

比較的難解だったラップの部分。「僕らは手から銃に切り替え、親指と弾薬を交換した」、おそらく眠れない夜に耐えかねた主人公はある日、自分を守るために銃を購入したのではなかろうか。もちろんそれは彼にとって不本意な選択で、どんどん気が可笑しくなってくる。「自分の指を自分の頭に突きつけたらどうなるんだろう」、手から銃に切り替えたのだから、つまり彼は、その銃で頭を撃ち抜いてしまおうという気分になってきたんだ。「日が沈む頃には僕の死体が転がっているだろうから、事前に警告しておかなくちゃ」と、自分が自殺することを漠然と確信しつつあった。

きっとここで、最初に登場したイカれた子供達のことを思い出したのだ。銃を使って犯罪を犯し、手錠をはめられたイカれた子供達が刑務所に大勢押し込められている様子をイメージしたのだろう。彼らはイカれていたかもしれないが、彼らが銃を使ってしまった責任は銃に溢れた社会の方にあるはずだ。そしてこの日主人公自身も銃を購入したことで、自分が銃社会に貢献してしまったことに気づいた。

「僕の胸と、この混乱した曲を撃ち抜け」と告げる主人公。この曲の混乱すなわち途中で銃に逃げようとした自分を懺悔してから、こう宣言する:「彼らにとってベストなのは間違いなく、銃から拳に切り替えることなんだ。」

銃を無くせ。イカれた子供達は手を繋ごうとしても拳で殴るような連中かもしれないが、だからこそ彼らを最悪な過ちから救うために、銃を無くさなきゃダメだ。

[chorus]

そうして I'm trying, I'm trying to sleep に戻って来るのだ。混乱から立ち直った彼は銃を捨て、眠れない夜と再び向き合い始める。銃社会にただ怯えるのではなく、銃に怒り、撤廃させねばならないと確信するに至った彼は、それまでとはまるで違った思いで夜を乗り越えたことだろう。この曲を演奏する twenty one pilots のように、力強い決意を持って。

 

 

 

おしまい。